ペットの写真を使ったオリジナルアクリルスタンド(アクスタ)は、記念品やインテリア、SNS映えアイテムとして大人気です。
しかし、印刷用の入稿データ作成には白版(白押さえ)やカットラインなど、初めてだとつまずきやすいポイントが多数。
この記事では、Illustratorを使ってアクスタの入稿データを作る手順を、テンプレートの使い方から台座や差し込み部分の設計まで、初心者でもわかるように詳しく解説します。
最後にはチェックリストも用意しているので、入稿前の最終確認にも活用できます。
アクスタ入稿データ作成に必要なもの

① Adobe Illustrator(推奨:CS6以降)
- アクスタ制作では白版(白押さえ)やカットラインなどのレイヤー管理が必須です。
- Illustratorはこれらのデータ作成に最適なツールで、印刷会社からの入稿データ指定もIllustrator形式(.ai)が多くなっています。
- 体験版もあるので、まだ持っていない場合はインストールしてから作業を始めましょう。

② 高解像度のペット写真
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- 仕上がりを綺麗にするためには、300dpi以上の解像度が推奨です。
- ブレやピンボケがあると印刷時に目立つため、鮮明な写真を用意しましょう。

③ 制作会社指定のテンプレート(AI形式)
- 多くの印刷会社はアクスタ用テンプレートを配布しており、仕上がりサイズ・カットライン・台座差し込み位置などがガイドとして入っています。
- このテンプレートを使えば、サイズや位置のズレを防げます。
- 必ず制作を依頼する会社のテンプレートを使用してください(会社ごとに規格が異なるため)。

④ 保存・入稿形式の確認
- 保存形式(AI / PDF / EPS)
- カラーモード(CMYK)
- フォントは必ずアウトライン化
- リンク画像は埋め込みまたはリンク切れがない状態にしておく
2.テンプレートのダウンロードと準備
アクリルスタンドの入稿データを正確に作成するためには、制作を依頼する印刷会社が提供する専用テンプレートを使うのが必須です。
テンプレートには、仕上がりサイズ・カットライン・白版の位置・台座差し込みの形状などがガイドとして配置されており、これを使えばサイズや位置のズレを防げます。
2-1. ダウンロード方法
アクスタを注文予定のショップや印刷会社の公式ページにアクセスします。多くの場合、商品詳細ページや「テンプレートダウンロード」専用ページにテンプレートへのリンクがあります。
「アクリルスタンド用テンプレート」「Illustrator(.ai)形式」などの表記を探してみましょう。

選んだアクスタのサイズや形状に合ったテンプレートを選択してダウンロードします。サイズや仕様が異なるテンプレートを使用すると、カットラインや差し込み位置がずれて印刷不良になる可能性があります。

圧縮ファイルをダウンロードした場合は、PC上で解凍してからIllustratorで開けるようにしておきましょう。

印刷会社ごとにテンプレートの規格が異なります。他社テンプレートの流用はサイズや差し込み位置のズレ、印刷不備の原因になるため、必ず依頼先のものを使用してください。
2-2. ファイルの開き方
PCにインストールされているAdobe Illustratorを立ち上げます。まだインストールしていない場合は、Adobe公式サイトから体験版をダウンロードしてセットアップしましょう。

メニューの「ファイル」タブをクリックし、「開く」を選択します。先ほどダウンロード・解凍したテンプレート(.ai形式)ファイルを指定しましょう。

テンプレートはレイヤー構造が設定されていることが多く、
- デザインレイヤー(印刷する部分)
- 白版レイヤー(白押さえ)
- カットラインレイヤー(外形カット)
などに分かれています。作業前にそれぞれの役割を理解しておきましょう。

2-3. 作業用ファイルとして保存

テンプレートを開いたら、必ず別名で保存してから作業を始めます。
オリジナルのテンプレートを上書きしてしまうと再利用できなくなるため、元データは残しておくのが鉄則です。
3. ペット写真を配置する
アクスタの仕上がりを美しく見せるためには、写真の配置だけでなく背景処理が重要です。
特に背景が不要な場合は、Illustratorに配置する前にPhotoshopや無料の背景除去ツールを使って切り抜きしておきましょう。
※ 切り抜き方法の詳細は、関連記事「Photoshopでの切り抜き方法」「無料ツールでの切り抜き方法」を参考にしてください
メニューの「ファイル」→「配置」を選び、切り抜き済みのペット写真を選択します。

配置直後はリンク状態のため、別PCや入稿先で画像が表示されない可能性があります。
上部メニューの「埋め込み」ボタンをクリックし、画像データをIllustratorファイル内に含めましょう。

Shiftキーを押しながら角をドラッグすると、縦横比を保ったまま拡大・縮小できます。
仕上がりガイドの内側に収まるように配置してください。

4. 白版(白押さえ)の作り方
白版(白押さえ)とは?
アクリルスタンドにフルカラー印刷を行う場合、透明なアクリルの上にそのまま印刷すると色が透けてしまいます。
そこで、印刷部分の下に白インクを敷くことで、発色を鮮やかに見せるための下地を作ります。これが白版(白押さえ)です。
印刷したい写真のレイヤーを選択し、Ctrl+C(またはCmd+C)でコピー、Ctrl+F(またはCmd+F)で同じ位置にペーストします。

レイヤーパネルで新規レイヤーを作成し、名前を「白版」または「White」など、印刷会社指定の名称に変更します。
(会社によっては「白版」「白押さえ」など指定があるため要確認)

コピーした画像を選択し、カラーを真っ黒(K100%)にします。「編集」タブをクリックし、「カラーを編集」→
「カラーバランス調整」を選択するとカラー調整ウィンドウが開くのでブラック(K)を100%にしてOKを選択


OKを押すと真っ黒い白版ができるので白版レイヤーに移動させてください。

5. カットラインの作成
カットラインとは?
カットラインは、アクリルをレーザーカットするための切り取り線です。
このラインを元にアクリルの形が決まるため、誤差やズレを防ぐためにも正確な作成が必要です。
多くの印刷会社では、カットライン専用の**スポットカラー(例:CutContour)**を使い、0.1mm程度の細い線で指定します。
印刷したい写真のレイヤーを選択し、Ctrl+C(またはCmd+C)でコピー、Ctrl+F(またはCmd+F)で同じ位置にペーストします。

印刷データの上に、切り抜きたい形状をペンツールや楕円形ツールなどでなぞります。
画像をカットラインの間には3mmほど余白が必要です。

パスがガタついている場合は整えます。
下部分は差し込み部分のため直線になるようにしてください。







6. 台座・差し込み部分のデザイン
台座と差し込み部分とは?
アクリルスタンドは本体と台座を組み合わせて立たせます。
このとき、差し込み部分(本体の足側の突起)と台座の切り込みがぴったり合うようにデザインする必要があります。
ズレや寸法違いがあると、差し込みが固すぎたり緩すぎたりして立たない原因になります。

ご自身でデザインしてもOKです!
その場合は差し込み口の周りに余白が必要です。


7. データ保存と入稿前チェックリスト
データ保存方法
- 保存形式を確認
- 推奨:AI形式(Illustrator)または印刷会社指定形式(PDF / EPSなど)
- ファイル名には商品名や日付を入れて管理(例:akustand_pet_2025-08-08.ai)
- カラーモードの確認
- 必ずCMYKに設定(RGBのままだと色味が変わる恐れあり)
- フォントのアウトライン化
- [書式] → [アウトラインを作成]
- アウトライン化しないと入稿先に同じフォントがなく文字化けする可能性があります。
- 画像の埋め込み
- 配置画像は必ず埋め込みにするか、リンク切れのない状態にする。
- [リンクパネル] → [画像を埋め込み] を選択。
入稿前チェックリスト
- カラーモードはCMYKか?
- フォントはすべてアウトライン化済みか?
- 白版・カットラインのレイヤー名は正しいか?
- 配置画像は埋め込みまたはリンク切れなしになっているか?
- ガイド・不要なオブジェクトは非表示または削除したか?
- 印刷会社指定のテンプレートを使用しているか?
- ファイル名に半角英数字のみを使用しているか?
入稿先によってはチェックリストが配布されている場合があります。公式のチェック項目も必ず確認しましょう。
8. よくある質問(FAQ)
- RGBのまま入稿したらどうなりますか?
-
印刷工程でCMYKに変換されるため、色味がくすむ・鮮やかさが失われることがあります。必ず作業開始前にCMYKに設定してください。
- 白版やカットラインのレイヤー名は必ず指定通りにする必要がありますか?
-
はい。印刷機が自動的に認識するため、名前が違うと加工が反映されないことがあります。
- 背景は透過にできますか?
-
可能です。背景を透過する場合は白版を作らず、その部分を透明にします。
- 台座を別デザインにできますか?
-
できます。本体と異なるデザインで制作して記念日やロゴを入れると、物販や記念品で喜ばれます。
- サンプルを作ってから大量発注できますか?
-
多くの制作会社で可能です。サンプル費用や納期は事前に確認しましょう。
まとめ — アクスタ入稿データは準備とルールが成功の鍵
アクリルスタンド(アクスタ)を理想通りに仕上げるためには、
「正しい準備」 と 「印刷会社のルール順守」 が何より重要です。
- Illustratorを使い、公式テンプレートに沿って制作する
- 高解像度の写真・デザイン素材を使用する
- 白版・カットラインの設定を正しく行う
- 入稿前に必ずチェックリストで最終確認する
これらを守れば、初めてでも高品質な仕上がりを実現できます。
特にペット写真のアクスタは、世界にひとつだけの記念品やプレゼントとして喜ばれるだけでなく、
イベント物販やノベルティにも応用可能です。

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