近年、オリジナルグッズやノベルティを作りたい企業担当者や個人の方に注目されている印刷技法の一つが「DTFプリント」です。DTFプリント(Direct To Film) は、Tシャツやシャワーサンダルといった布製品をはじめ、多様な素材へフルカラーで印刷できる転写プリントの一種です。そこで本記事では、DTFプリントとは そもそもどのような技術なのか、従来のインクジェットプリントとの違い、また製作コストや印刷の特徴について詳しく解説します。
さらに、イベントで配布するノベルティや販促品、同人グッズなどでの活用事例、小ロットからでも安い価格で作れる理由など、読者の方が抱えがちな疑問や課題を踏まえつつ、解決策もわかりやすく紹介します。これからオリジナルグッズを制作しようと考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。
DTFプリントとは?
DTF(Direct To Film)プリントとは、フィルムにデザインを印刷し、それを熱転写することで生地へ定着させる印刷方法を指します。アイロンプリントに近いイメージですが、専用のインクと機材を用いることで高精細なフルカラー印刷を実現できるのが大きな特徴です。
1色のシンプルなロゴから、写真やイラストなど複雑なフルカラーグラフィックまで、フチなしで自然な仕上がりを得られるのが魅力です。シートを貼り付けたときのような不自然な段差が少なく、生地への定着力も高いため、洗濯強度の面でも優れています。
さらに製版の必要がないので、1枚からでも安価に制作できる点が注目されています。名入れTシャツやイベント用ユニフォーム、あるいはシャワーサンダルなど、小ロットでオリジナルグッズを作りたい場合でも便利な印刷方式です。
DTFプリントの特徴
DTF転写印刷は主にTシャツ、ポロシャツなどの布製品にフルカラー印刷を施す際に使われます。ここでは大きく3つのポイントを取り上げ、その特徴を解説します。
特徴1:小ロットから安価に制作可能
一般的なシルクスクリーン印刷でフルカラーのデザインを作る場合は、色数ごとに版を作る必要があります。版制作には初期費用がかかるため、どうしても大ロット注文でなければ割高になってしまうのが難点でした。
一方、DTFプリントでは版を作る工程が不要です。専用フィルムに対してデザインを印刷し、そのフィルムを熱転写するのみで仕上がるため、1枚からでも安い価格で製作が可能です。
ポイント
- ノベルティや販促品で小ロットが必要なときに向いている
- 同人グッズのような個人制作も費用を抑えやすい
- イベント当日に少数だけグッズを用意したい場合にも便利
大口注文に限らず、小口の追加発注もしやすいのがDTFプリントの利点と言えるでしょう。
特徴2:色が少ないデザインにも向いている
DTFプリントはフルカラーデザインに強い印刷方法ですが、もちろん単色・少色のデザインにも対応可能です。例えばロゴやシンプルなイラストなど、色数が少ないデザインの場合にも製版工程がないため、コストを抑えながら美しく仕上げられます。
インク調合の必要がなく、デザインをデータ通りにダイレクトにプリントできるので、思い通りの色表現がしやすい点も魅力です。
特徴3:キレイなプリントと高い耐久性
DTFプリントは、インクの発色が鮮やかかつ生地にしっかりとインクを乗せるため、プリント面に少し光沢感があるのが特徴です。また、洗濯の繰り返しにも強いので、色落ちやひび割れなどが起こりにくく、長く使えるのもメリットです。
- 耐久性に優れる
- 立体的・鮮明な仕上がり
- 洗濯強度が高い
そのため、プリント部分がはがれにくく、ユニフォームなど繰り返し洗濯する衣類にも適しています。
料金について
以下は、DTFプリントを行う際の参考価格です。デザイン内容や生地の種類、枚数によってはより安価になる場合もありますので、詳細はお問い合わせください。
枚数 | 10cm×10cm | 15cm×15cm | 20cm×30cm | 30cm×42cm |
---|---|---|---|---|
1枚~ | ¥450 | ¥550 | ¥800 | ¥1,200 |
50枚~ | ¥400 | ¥450 | ¥750 | ¥800 |
100枚~ | ¥350 | ¥400 | ¥700 | ¥750 |
- この価格表を基準に、まとめて依頼することで割引が適用されるケースがあります。
- フルカラー印刷なのに低コストで済むのは、製版作業不要・インク調合が不要といったDTFプリントの特性によるものです。
インクジェットプリントとDTFプリントの違い
DTFプリントと同様にフルカラー対応が可能なインクジェットプリントですが、仕上がりには以下のような違いがあります。


印刷方法 | DTFプリント | インクジェット |
---|---|---|
カラー | 色数無制限 | 色数無制限 |
コスト(小ロット) | ◎ 1枚から対応可 | ◎ 1枚から対応可 |
コスト(大ロット) | ◎ | △ |
質感 | 生地に対してしっかりプリントが乗る 表面にやや光沢感あり | 生地の風合いを活かし 自然な仕上がり |
発色 | 鮮やか | ナチュラル |
- DTFプリントは発色がより鮮やかで、生地の表面にプリントがしっかり乗るため、触るとインクの層を感じやすいという特徴があります。
- 一方、インクジェットは生地本来の手触りを残したいという場合にはより適しています。
- コスト面では、特に大ロットにおいてDTFプリントのほうが費用を抑えやすい場合が多いです。
5. DTFプリントを活用するメリット・活用例
ここでは、実際にDTFプリントを利用するシーンやメリットをもう少し詳しく解説します。ノベルティ、販促品、同人グッズ、イベント用の景品など、様々な用途で活躍する印刷方式です。
ノベルティ・販促品
企業や店舗が配布するノベルティや販促品においては、「できるだけ安く、かつオリジナリティを出したい」という要望が多いものです。
- DTFプリントなら、小ロットからでも費用を抑えられるため、在庫を抱えずに必要な分だけ注文できます。
- 名入れや企業ロゴ、キャンペーンロゴを鮮やかにプリントすることで、ブランドイメージの向上にもつながります。
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同人グッズ・イベントグッズ
個人のサークルやクリエイターが同人グッズを作る場合、予算に限りがある中で、フルカラーのイラストなど高品質な仕上がりを求められるケースが多いです。
- DTFプリントなら、1枚から注文可能なため、余剰在庫を減らしてリスクを軽減できます。
- 同人イベントやコミックマーケットなどで、フルカラープリントのTシャツやバッグを頒布したい場合に活用しやすいのが魅力です。
全商品共通のご注意事項
DTFプリントを含めた、転写プリントサービスをご利用いただく際には、以下の点にご注意ください。
- モニターと仕上がりの色味が異なる場合
ご覧のモニター環境や撮影・照明条件により、仕上がりの色味が画面上のイメージと完全に一致しない場合があります。こうした理由による無償再作成はお受けできませんので、あらかじめご了承ください。 - 再注文時の色味・風合いの差異
同じデザインを再注文いただいた場合でも、タイミングや印刷機器の条件により、前回とまったく同じ色合い・風合いにならないことがあります。 - 微細なゴミやホコリの混入
微細なゴミやホコリが混入し、1mm以下の点やインクのムラが生じる可能性がありますが、一般的な許容範囲内として扱っております。 - 背景の確認・削除
不要な背景がデザインデータに含まれている場合、そのままプリントされてしまいます。入稿前に必ず背景の確認・削除をお願いいたします。 - 印刷位置のズレ
製品個体差によって、実際の印刷位置が数mmほどズレる場合があります。
これらの注意事項は、いずれも転写プリントだけでなく、様々なプリント手法において共通して起こりうるものです。あらかじめご理解いただいたうえで、ご注文・ご利用をお願いいたします。
よくあるご質問(Q&A)
Q. 写真印刷やフルカラーイラストをプリントできますか?
A. はい、DTFプリントやインクジェット印刷で対応可能です。特にDTFプリントは、専用フィルムへのプリントを熱転写するため、高精細なフルカラーが再現できます。
Q. 同じデザインで追加発注したいのですが、版代はかかりますか?
A. 版を作成しない印刷方法のため、版代は発生いたしません。必要な時期に必要な枚数だけ追加注文が可能です。
Q. どのように色指定すれば良いですか?
A. CMYK設定でデザインを作成してください。ご入稿いただいたカラー設定に基づいて印刷いたします。ただし、モニターと実際の出力結果で微妙に色が異なることはありますのでご了承ください。
8. まとめ
DTFプリントは、小ロットからでも安い価格でフルカラープリントができる転写プリント方式です。ノベルティや販促品、同人グッズ、各種イベント用の景品など、様々な場面で活躍します。製版不要のため版代がかからず、1枚単位で注文ができるのは大きなメリットです。
また、洗濯強度が高く、プリントの発色も鮮やかなので、長期的に利用されるアパレルグッズやユニフォームなどにも適しています。さらに、Tシャツなどの布製品だけでなく、シャワーサンダルなどへの応用も増えており、オリジナルグッズの幅を大きく広げる印刷手法と言えるでしょう。
もし、これからオリジナルグッズやノベルティの制作を検討されている場合は、ぜひDTFプリントを選択肢のひとつに入れてみてください。高品質でありながら、コストを抑えてオリジナリティあふれるアイテムを実現することが可能です。
**DTFプリントとは何か?**という疑問を解決し、販促・イベントに役立つオリジナルグッズづくりに一歩踏み出していただければ幸いです。ご不明点やご質問がありましたら、お気軽にお問い合わせください。